(レビュアー: M.K)
同じタムロンのSP AF 35-105mm F/2.8 (65D)を除いては、唯一望遠側105mmでF2.8を実現している大口径標準ズームレンズ。
その代償として、とても大きく重たいレンズとなっている。
画質は、ある程度絞り込んでも周辺の描写が良好とは言えない。
描写の確かさでは廉価な標準ズームに及ばず、その巨体もあって一般的な風景等の撮影ではこのレンズを使う理由が見当たらない。
しかし、広いズーム域と全域F2.8の明るさを生かせ、絞り解放付近での柔らかい描写と周辺部の画質があまり問題にならない用途、例えば女性のポートレート撮影などには好適と言える。
近距離・絞り開放という条件ではアウトフォーカス部のボケがフレア状になることがあり、女性ポートレートでは逆にこれを生かすという手もある。
最短撮影距離は50cmで単焦点中望遠レンズよりも接写ができる。
この数値はワイド端28mmおよびテレ端105mm域でのもので、中間の焦点距離域では更に近接することができ、70~85mm近辺での最短撮影距離は44cmとなっている。
モデル176Dと276Dが存在するが、276Dは176Dの外観変更モデルで基本的に性能は同一。