(レビュアー: T.S)
軽量コンパクトで価格も安い、大口径F1.8の広角単焦点レンズ。
IIの名が示す通り、このレンズが登場する以前にはAF 28mm F1.8 Aspericalという製品があったが、このレンズは光学系を完全に一新して登場した。
キヤノンユーザーの場合はよりコンパクトなEF28mm F1.8 USMという選択肢があるが、それを除けば最もコンパクトな部類。
前モデルより約70g軽い約285gとなっており、これは上記のEF28mm F1.8 USMよりも更に軽い。
シグマの製品ラインナップとしては後継となる28mm F1.8 EX DGでは最短撮影距離20cmでマクロ域に迫る最大撮影倍率0.34倍(1:2.9)を実現したが、直径83.6mm、長さ82.5mm、フィルター径77mm、重さ500gと、一回りどころか二回り大きなレンズになった。
もはや別物と言っても良く、このレンズと同じ尺度で比較することはできない。
これらの性能が必要のない人にとっては小柄な旧製品の方が使い勝手が良いということは大いにあり得る。
このレンズの最短撮影距離は30cmで、多くの広角ズームよりは近接撮影ができる。
中心部は絞り解放でも十分シャープ。
もちろん絞れば周辺部までしっかりした描写が得られる。
ただし夜景などの点光源ではサジタルコマフレアが目立つ。
(サジタルコマフレアとは、解りやすく言えば画像周辺部の点光源が羽根を広げた鳥のような形に写る性質のこと。)
また、周辺減光の低下は絞り解放ではかなり目立つ。
28mmレンズの画角にF1.8の明るさも相まって、屋内でのスナップなどには大変有用。
広角レンズでありながらボケを生かした描写もできる。
なお、専用の花形フードは内側に植毛が施されている。