(レビュアー: M.K)
驚異的な12mmの焦点距離をズームで実現した初の製品。
現在は後継の12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMが発売されている。
フィルムやフルサイズデジタルの一眼レフで12mmで撮影しようとすればほとんど選択肢はないが、あえて画質について言えば、像面湾曲が大きいことが一番の欠点だろう。
像面湾曲は簡単に言えば中心部と周辺部でピントの合う位置に差がある状態で、平面的な被写体で中心部にピントを合わせると周辺がピンボケになったり像が崩れたりする。
原因は像の特定の部分にピントが合っていないことだから、絞り込んで被写界深度をある程度以上深くすれば解消する。
できればF8~11程度まで絞って使いたい。
このように、ある程度以上遠い平面的な被写体なら絞り込めば良いが、絞れない場合は周辺部に主要な被写体があるならその被写体にピントを合わせるといった使いこなしが必要になる。
カメラ任せで撮れば弱点が露呈するので、ある程度写真技術の知識がある人でなければ勧めにくい。
ただし使いこなせば安価に驚異の12mmでの撮影が楽しめる。
歪曲は12mmという超々広角であることを考えれば良く補正されている。
フードは組み込み式、前面にフィルターネジはなく後部にカットしたゼラチンフィルターを差し込む方式。
なおα用・ペンタックス用はHSM仕様ではなく、フルタイムマニュアルフォーカスに対応していない。