(レビュアー: H.B)
ズームで初めて広角側15mmを実現したレンズ。
フィルムやフルサイズデジタル一眼レフで超広角撮影が出来るのはもちろんだが、かつてはAPS-Cデジタル一眼レフカメラ用のレンズとしても定番になっていた。
大柄なレンズだが約600gと、それほど重くはない。
フードは固定式で、そのため通常のフィルターは使用できない。
ただ、15mmの画角では82mmを越えるような大径のフィルターが必要となるはずで、通常の撮影シーンでの実用性を考えればそれほどのデメリットではない。
ワイド端15mm~という超広角ズームではあるが解像性能は良い。
もちろんフルサイズデジタルやフィルムカメラで四隅まで良好に解像させるには充分絞る必要がある。
コントラストも良好だが、光源が直接入射すると小さなゴーストを生じることが多いので撮影時には注意したい。
広角での撮影では出来るだけ被写体に近付いて撮るとその特殊な描写の効果を得やすいことから、広角レンズでは最短撮影距離も重要な性能である。
このレンズの最短撮影距離は全域30cmで、フルサイズ/フィルム用のズームレンズとしては短い方だが、あと数cm寄れれば文句なかった。