(レビュアー: F.M)
他社の大口径(F2.8通し)標準ズームが35-70mmから28-70mmに広角側を広げていく中、タムロンは望遠側を中望遠105mmまで伸ばした製品を発売した。
用途によっては大口径標準ズームで中望遠までカバーできることは大きなメリットとなる。
真っ先に思い浮かぶのが背景を整理した人物撮影であろう。
諸収差は他社製品より多く残っておりシャープな描写とは言えないが、そのせいもあってボケ味は自然で柔らかい。
特に球面収差をある程度残すことは自然なボケに寄与する。
このように画質の面からも人物撮影に向いている。
一般的な大口径ズームより焦点距離域が広いにも関わらず約600gと比較的軽量かつコンパクトで、日常のちょっとした撮影にも使える。
フィルター径は67mm。
その後タムロンの大口径標準ズームはSP AF 28-105mm F/2.8 LD Aspherical IF (176D/(276D)にモデルチェンジした。
このレンズと方向性は同じで、やはり解像性能よりは自然なボケ等を重視したレンズだ。
ただし重さ800g以上、フィルター径82mmと、このレンズより大幅に大きく重くなってしまった。