(レビュアー: H.B)
大口径で40mmまでカバーする広角ズームは数少ない。
思い当たるところでは、明るさはF3.5になるがタムロンのSP AF20-40mm F/2.7-3.5 Aspherical IF (モデル166Dならびに266D)くらいのもの。
広角ズームで40mmまでカバーできることによる利点は多くあるが、タムロンのものは最短撮影距離が50cmという弱点があった。
このレンズでは最短撮影距離は30cmでまったく文句ない。
難点があるとすれば特にその大きさで、フィルターサイズが82mmというのも人によっては使いにくいだろう。
約600gという重さは各社のF2.8広角ズームと大差ないので仕方ないとも言える。
画質は大口径の広角ズームとしては特に問題はないが、広角ズームとは言えF2.8となれば被写界深度について考える必要がある。
ピントがわずかにズレた位置の画像を見て描写が甘いと思い込んでしまう人もいるのだ。
ただしこの時期の多くのシグマのレンズに見られるように、逆光時のゴーストやフレアの発生には他のレンズより注意を要する。
フルサイズデジタルやフィルムカメラで標準域に近い40mmまでカバーできる広角ズームはほとんどなく、F4等の明るさでは標準域として物足りないという人でも屋内スナップ撮影などでの常用レンズとして有力な候補になり得る。