(レビュアー: M.K)
24mm~の標準ズームを発売していなかったトキナーが、他にないワイド側24mmの高倍率ズームAT-X 24-200mm F3.5-5.6(AT-X242AF)を発売した。
(それ以前に24-40mm F2.8というレンズはあったが)
同世代の高倍率ズームの中でも画質ではやや劣る感があるが、高倍率ズームの画質をあまり細かく論じること自体が無意味だと思う。
このレンズに限らず、一般的な高倍率ズームはどの製品も画質にはある程度目をつぶることが前提となるからだ。
画質よりも利便性を優先すべきカテゴリーのレンズと言える。
さて、その利便性についてだが、最短撮影距離が80cmであることがマイナス要素。
高倍率ズームは旅行用などに使われることも多いと思われるが、画質はともかくレンズ1本で一通りの撮影をカバーするには最短撮影距離80cmは物足りない。
同年に発売のタムロン 28-200mm F3.8-5.6 XR (A03)がズーム全域で49cmの最短撮影距離を実現していたから、発売直後から遅れを取ってしまっていたことになる。
また、他の高倍率ズームに比べて作りはしっかりしているが、700g近い重さは使い勝手や利便性という意味では褒めることはできない。
しかし35mmフルサイズで24~200mmの焦点距離をカバーする高倍率ズームは未だにこのレンズしかない。
そこに価値を見出すなら、好もうと好まざると代わりになるレンズは無いということがこのレンズの全てだろう。
もし24mmは必要でも200mmは必要ないのであれば、各メーカー純正の他、普通の標準ズームレベルの描写力を備えたタムロン SP AF 24-135mm F/3.5-5.6 AD ASPHERICAL [IF] MACRO (190D/290D)といったレンズもある。